未来のクーデレ
大学に入り、一人暮らしとなった七海の部屋に東堂が酒を持って乱入したのが数時間前。
東堂はすっかり酒がまわっていた。
「七海は・・・」
「なんだ?」
赤くなった顔で、東堂は七海の腰に腕を回す。そして、頭を七海の肩へと埋めた。
一方、七海は。まるで水でも飲んでいるかの様に、酒を飲み続ける。その表情も手つきも通常と同じであった。
「七海は・・酒に強いのだな・・・・」
「んー」
ぽんぽん、と二度東堂の頭を撫ぜると、グラスを机へ置いた。
東堂が顔を上げた、その視点がぐるりと周り、目の前には天井が広がった。
押し倒された。そう気付くまでそんなに時間はかからない。
「な、にを・・・」
「私だって、酔ってますよー」
頭の後ろと背中にそれぞれに回した手が、弱弱しく東堂を握る。じわりと体温が東堂に広がった。
「七海・・・?」
戸惑う様に名を呼んでも返事は返ってこない。代わりに小さな寝息が東堂の耳に届いた。
東堂は息を吐き、体から力を抜くと天井を見上げた。
その顔は、先ほどよりも赤く熱を帯びていた。
「こういうのは、ずるい・・・のだよ」
(2016/01/24)
元拍手のおまけ。