にゃんにゃんにゃん―マユリの場合―
「涼香!おはようさん!」
「あ、おはよー真ちゃん」
吉良を連れて十一番隊へ向かう途中、彼らは水色の影を見つけた。
涼香に会えるかも。そんな下心を持っていた平子は嬉しそうに彼女を呼び止める。
余談だが、そんなバレバレな(と言うよりも隠す気のない)行動を見守る吉良の視線は生ぬるい。
「そ、それは・・・?」
近くに駆け寄ってきた涼香の頭にはちょこんと艶やかな水色をした耳が二つ。涼香の感情に呼応するようにぴこぴこ動く姿はかわいらしい。
平子はその姿に破顔し、言葉をかけた。
「あぁこれ?何か緑色の液体飲んだら生えた」
いやー、すごいよね!技術局!
そういう彼女は満面の笑みだ。本気でこの状況を楽しんでいるらしい。
「(相変わらずファンシーな生活してるなぁ)」
「(かっわええ、神様おおきに!)それは大変やなぁ・・・」
「んー?特に困ってないよ?」
心にもない平子の言葉。しかし、そうとは気づかない涼香は何でもないように小首をかしげた。
涼香を堪能する平子、自身の髪がこそばゆいのか時々耳を震わせる涼香、そして生ぬるい視線の吉良。
「涼香!!」
混沌とした空気をつんざくのはもうお決まりとなってしまった怒鳴り声。
「マユリちゃん!」
途端彼女は踵を返して彼のもとへかけていく。
ご愁傷さま。やっぱり涼香さんは涅隊長なんですよ。そう吉良は心の中で合掌する。
「データをとるからうろつくなって言っただろウ!
本当にお前はこんな簡単なことも覚えられないのかネ!」
「ごめんごめん」
「全く」
「ごめんってばー」
「大体お前には恥じらいってものがないのかネ」
笑顔の涼香としかめっ面のマユリ。マユリが涼香にほっかむりを被せ、二人そろって十二番隊方面へと消えていった。
(2016/09/19)
元拍手のおまけ。