にゃんにゃんにゃん―サイファーの場合―
「にー」
なんだ、これは。
サイファーの目の前にいるのは、髪と同じ薄茶の耳(猫のものか?)としっぽを生やしたアーリア。
まるで子猫が甘えるように高い声を出し、笑顔でスリスリと体を擦りつける姿はとてもかわいらしいがどう見ても普通ではない。
「・・・・スコール!!」
そういえば彼女はスコールと一緒に任務に出かけていたはずだと思い出し、怒鳴って彼を呼んだ。
「うるさい」
「なんだこれは!てめぇアーリアに何しやがった!」
「何もしてない」
面倒を顔に張り付けて、スコールが答える。
アーリアはべったりとサイファーにすり寄ったまま小首をかしげてスコールを見上げた。まるで知らない人を見るように。
そう。
実際彼女は忘れていた。スコールも、サイファーも、ほかの誰のことも。任務で受けたモンスターの攻撃の影響で、彼女は限りなく猫に近いものになっていた。
「嘘をっ「にぅ・・・」っ・・・!!?」
構えと言わんばかりに、アーリアがサイファーの首に腕を回す。
かわいいが、大変理性によくない笑顔でペロリとサイファーの首筋を舐めた。思わずその腰に手を添えたサイファーに、アーリアはご満悦。
ここが廊下で良かったとサイファーは頭の端で考える。思春期の青年にこのアーリアは拷問だ。
「良いなぁ、サイファー
アーリア私には全然懐いてくれなかったのに」
それを見て純粋にうらやましがるのは、カドワキから猫状態はすぐ治ると説明を受けた者たち。
手には猫じゃらしやボールなど猫の好きそうなおもちゃを携えている。
「この効果っていつまでだっけ?」
「確か2時間くらいって言ってたよー」
「・・・アーリア!私が遊んでやるぞ!猫じゃらしもあるぞ!
サイファー!!でれでれするな!」
離れろ!
厳しい顔でアーリアを引きはがそうと奮闘するシュウの右手で猫じゃらしがむなしく揺れた。
(2016/09/19)
元拍手のおまけ。