Eternal Oath



専属秘書


あの日、カイオーガが世界を雨雲で覆い尽くした。
その日以来、アクア団・マグマ団双方とも大きな転換を迎える事になった。アクア団はポケモンが暮らす海を保全する活動を、マグマ団は人間の暮らす大地の自然を守る活動を。海や陸を増やすと言う目的から、それぞれ自然のバランスを守る事を目的とする団体へと展望を遂げた。

それは、一朝一夕に行えたものではなかった。ここマグマ団では新たに出された方針に、反発したものも多かったからだ。団内には、陸を増やす名の元、破壊活動をしたいだけの者が多かった。そんな団内の改革に陸を荒す物の粛清など、やらなければならない事が山ほどあった。
そんな中なんとか今日まで団を運営できたのは、カイオーガの脅威を目にし、何か感じるものがあったらしいホムラがマグマ団に残り改革の手伝いをしたこと―――


「?
どうかなさりましたか?」


―――そして、この目の前の女の力が大きいのであろう。

女の問いを、マツブサは眼鏡をあげる事で受け流す。彼女はマツブサの秘書として働く女性だ。彼女は、マグマ団が陸を増やすことに邁進していた時も、今の様に自然の保護を謳う様になっても、何も言わずについてきた。

リズ・・・」
「はい?」

珍しく彼女の名前を呼べば、資料から顔をあげてマツブサと視線を合わせる。

「なぜキサマは・・・いや、なんでもない」

どうして着いてきたのか。そう聞いたところで、どうしようもないことだとマツブサは思った。
そんなマツブサの様子を見て、リズは小さく笑った。


「あなたと同じ、未来を見て見たかったんです」
「なに・・・」


少ない言葉からマツブサの意図を読み取り、リズは答える。その表情は酷く誇らしげで。当てられたかのように、マツブサは目を細めた。


(2015.02.09)