幼馴染
なんだこれ。
それは彼女への共通した感想だった。薄桃が透ける羽、可愛い顔。通常ならば”かわいい”だけで済むだろうが、そんな女がバードの家にいた事が問題だ。
「あん、リズ?
なんでオメエこんなところに居るんだよ」
「えっと、おば様が
お掃除していたらミヤコさん達の古い服がたくさん出てきたから良ければ貰ってって」
その言葉に、バードはまたかと溜息をついた。彼女をいたく気に入っている母が服を口実に呼びつけたのだろうと思ったのだ。
「バード君は?
帰ってきてるなんて珍しいね」
「おふくろが帰ってこいってうるさくってよ」
「ああ、そっかぁ
おば様、バード君が出て行ってから寂しそうだったもの
お客様もいるみたいだし、私そろそろ帰るね」
邪魔になるからと、去ろうとしたリズの手を、バードが掴む。
「帰り、送ってくからもう少しここに居ろよ
お袋のやつどうせ持ちきれないくらい服持たせる気だろうし」
逡巡し、彼女は頷く。
そこで漸く、英雄たちは正気に戻った。
「てか、その子誰っすか!?」
「あいつは・・・バードの幼馴染だ」
英雄たちを代表するように声を上げたのはキリーで、バードの代わりに答えたのはシンタローであった。
バードと幼馴染と言う事は、シンタローとも知り合いであるのだろう。シンタローの声は暗い。
「はぁ!?バードにあんなかわいい幼馴染いるなんて聞いてねえぞ!?」
「世の中間違ってるよなぁ・・・」
何があったのか、遠い目をしたシンタローはそう呟いた。英雄たちの視線の先、リズはヒーローとタツに自己紹介をしていた。目が合うと、初めましてと頭を下げつ。
そんな英雄たちとリズの顔合わせが終わり、暫くするとバードの母親がやってきた。相変わらずの煌びやかな衣装は、リズと言う訪問者を迎えていた為か以前よりも派手なものだ。 バードの母親は服にキラキラと照明を反射させ、バードへと視線を光らせた。
「ところでバード、あなたもいいお年なのだからガールフレンドの一人もできたのでしょうね」
「・・・はあ、いや」
「ま~!!このままでは我が家は絶えてしまうわぁぁぁ!!」
「落ち着いて!ママ!!」
お決まりのやり取りを済ませると、今度はバードではなくリズへと視線を向ける。
「リズちゃんのような子がバードのお嫁さんになってくれたら安心なんだよね」
「お袋・・・リズを巻き込むのはやめてくれよ」
「おば様、お言葉は嬉しいですけど
バード君には、私なんかじゃもったいないです」
心底そう思っているような表情で、彼女はそう言った。
そんな三人を見ながら、英雄たちは円を作り―――
「あんなにいい人がそばにいて
なんであの人サクラなんかに騙されたんすか?」
「リズ優しかったぞー」
「・・・それは鳥が馬鹿だからだろ」
「馬鹿だな」
「馬鹿でちゅー」
―――英雄たちはそう結論付けた。
(2015.02.09)