かっこいい先輩
エースと言えるかと言えばそうじゃない。
かっこいいかと言われればそうじゃない。
でも私には一番に見える。だから、今日こそ思いを伝えよう。そう思って巻島先輩を呼び出した。
「私佐倉 瑞樹といいます
あの・・・好きです!」
「俺を?」
「はい!」
震えそうな声を抑えて、何とか伝えた。先輩は困ったような顔をして頭のあたりを摩っている。
やっぱり、フラれてしまうのだろうか・・・?
「・・・なんで、俺なんショ」
そう答えた先輩に、私はもちろん先輩が好きだからと答えた。
「でもお前今泉のファン・・・ショ」
どこかめんどくさそうに、先輩が言う。見られたと言う後ろめたさと、見てくれていたという喜び。二つがごっちゃになって。―――その表情を見た先輩が溜息をついた。
やっぱり。そう言いたげな表情を先輩は浮かべていた。
「違うんです!」
気付いたら声をあげていた。
「確かに私は今泉君のファンだけど、今泉君はいまではどうでもいいって言うか、むしろ先輩見るために今泉君のファンしてる状態で・・・。今泉君を見るために来てたんですけど、山上ってる先輩が目立ってて、それで目で追う様になって・・・。おしゃべり苦手みたいで、でも、山上るのには真剣で、そんな先輩のことかっこいいなって思ったんです。それからずっと先輩の事見てました。気付いてないかもしれないですけど、今泉君がいないときにも練習見に来て―――ちょっと待て」」
言葉を止めて、先輩を見上げると、先ほどとは違い顔を真っ赤にした先輩が居た。
(2015.02.02)