白衣の天使
毎週月曜日―浮竹の検診日―少しだけ浮竹の心は泡立つ。
この日も、浮竹はそわそわと障子へと視線を送っていた。やがて、浮かんだ影に浮竹は視線はそのままに体を起こす。そして表情を凛としたものへと変えた。
「浮竹隊長、検診に参りました」
「ああ、入ってくれ」
浮竹の言葉を受け、遠慮がちに襖が開く。襖を開けた人物は柔和な笑顔を浮かべたまま、身を起こした浮竹の姿に驚くそぶりを見せた。
今日は調子がいいんだ、などと言い訳じみた言葉に、驚きを消した四番隊員はそれは良かったと笑う。失礼しますと、前に出た四番隊員はそっと浮竹の手を取ると素早く脈を取った。
「本当に今日は調子が良いみたいですね」
浮竹の体に触れながら何やら細かく書き記す。その数字が良いのか悪いのか、それは浮竹には分らなかった。
「そう、なのか?」
「はい
初めてお会いした時とは別人みたいですよ」
―――初めて会った時の記憶はない。
浮竹が意識を失い、四番隊へと運ばれた時だたからだ。必至に自分を呼ぶ声に、浮竹が目を覚ますと彼女が居て。良かったと今日の様に笑った。
それ以来、彼女は浮竹の看護婦となった。簡単な検診や薬の処方などは彼女が行っている。
―――閑話休題
嬉しそうな笑顔を浮かべた彼女につられ、浮竹も笑顔を浮かべた。
「どうかなされましたか?」
「いや、本当に今日は調子がいいみたいだ
・・・だから、瑞樹」
「はい」
「散策に付き合ってくれないか?」
はい、喜んで。四番隊員として頷いた。そんな瑞樹に苦笑いしながら浮竹は腰を上げる。
いつか、四番隊員と患者ではなく”只の”瑞樹と浮竹で歩けたら。そう思い、彼女の隣へと歩みを進めた。
(2015.02.02)