Eternal Oath

00.SIREN Log


サイレンが鳴る少し前―宮田―(2016/02/25)


「先生殺してくださいな」
そう言ってその女はニッコリと笑って見せた。

「理由をお聞きしても?」
「ええ、だってもう死ぬしかないじゃないですか」

女が両手を広げ今の羽生蛇村を指し示す。
生き残るのは難しい。


「ねぇ先生私はね
化物に殺されるのも
よそ者に殺されるのも嫌なんですよ」

だから殺せと女は言う。
元々よごれたこの手に今更1人分増えたところでさほど問題ではない。

「分かりました」

振り上げたネイルハンマーがめり込む寸前にまた女は笑う。
最後に唇が象ったのはありがとうの言葉だった。

瑞樹さん、なんで、あなたは」

その問に答える者はもう既に亡く―――



サイレンが鳴る少し前―牧野―(2016/02/25)


「ねぇ、求道師様私気づいてしまったんです」

屍人を打ち殺し、女はゆっくりと牧野を振り返った。
この場に相応しくない晴れやかな笑顔を浮かべて女は言葉を続けた。

「ここから逃げ出すのなんか
簡単なことだったんです

本当に、簡単な」

牧野は露骨にほっとした表情を見せた。
この地獄から逃げられるのなら何だっていいと思ったのだ。

「それでは、牧野さん」
「え?名前さ」

破裂音が1回。

すべてを言い切る前に黒い塊が牧野の眉間を穿った。

「ね?簡単でしょう?」

そうして、もう一度破裂音。