どこまでも黄色だった。
その中に溶けた女は、向日葵を一本手折り渡す。
「だから、だめっすよ」
あの島から帰って来て、特戦隊がガンマ団から追放されて、リキッドはいなくなった。それからと言うもの、隊は、と言うよりハーレムは荒れた。この上なく荒れた。飛び交う眼魔砲に隊員たちが逃げ惑ったのは言うまでもない。
朝起きて、リキッドがいないことに腹をたてて、酒を飲んで、馬にかけて、負けて。きまぐれに国を幾つか滅ぼした。
それでも何かが埋まることはなく。
ふらりと立ち寄った舞○のランドは、彼とあった場所であり、ハーレムが時折羽を伸ばしに来ていた場所。
そこでであったのが彼女であった。
「ファンタズ○ック!」
しつこいナンパ男に食らわせていたのは、海のパレードを模した技で、悪いななんて格好をつけて振り向いた仕草はまるであの日の焼き直しだ。
だから、連れ去ってしまおうと思った。強制入隊コースだと、女だがガンマ団から抜けたから関係ねぇ、なんて都合よく考えて口角をあげる。
「いい技持ってるじゃねーか」
だから、ぽかんと口をあける彼女の鳩尾に一撃食らわせて、リズを特撰隊のメンバーにした。
それからは何もかもが彼がいた日のようであった。
泣くリズを飛行機から叩き落とし、給与をせしめ、マウスの隣にメスマウスが並ぶようになった。
「リズちゃーん。お兄さんが添い寝してあげるから「眼魔砲」」
ただひとつ違うとしたら、隊員からの対応だけだ。ロッドはやたら絡むし、Gの手製の服を着ているし、さらにいえばマーカーの毒舌もすこしばかり抑えめだ。ハーレムにとってそれは不愉快であったが、隊員は彼に逆らえないので、結局リズを一番構えるのはハーレムの特権だった。
いい拾いものだった。そうほくそ笑んで。指差す先の、地図の上、小さな小さな島ひとつ。特戦部隊が上陸したら一日ももたないっすよね、そう笑う彼女に、ちげーよと笑う。
「ま、おめぇは好きかもしれねぇな」
ボロボロになったマウスをいじくり倒しながら、ふと思った。
壮大過ぎる自然に、しゃべるナマモノの宝庫そう説明すれば、目を輝かせて喜んだ。一方ハーレムは、まだ真新しいメスマウスを手繰り寄せ、俺ぁ興味ねぇなぁと天を仰いぐ。
まじっすか!楽しみっす!俄にうるさくなったリズに拳を一振りした。手加減なしの一発だが、特戦部隊の一員だからこのくらいは耐える。
あ。
うめき声をあげてうずくまった彼女が動きを止める。白い指が地図を指差す。
ここ知ってるっす。すっごい綺麗なひまわり畑があるんすよ。
そうして殴られたことも忘れたようにニコニコ笑うものだから、思わずメスマウスを顔に押し付けた。むろん手加減せずに。
数日後、特戦部隊の飛行機はその場所にいた。
興味ないのか、それともハーレムが怖いのか、ほかのメンバーは飛行機にこもっている。明日にはパプワ島につく予定であるし、無駄に体力を消耗したくないのかもしれない。なんせあの島は体力を使う。
そして、そんな事は知らないリズと、俺様王様なハーレムはひまわりの中にいた。やっぱりすごいっす!きれいっす!そう、懲りずにはしゃぐリズ。
「うるせぇ!」
怒鳴った途端、リズが黙る。
ハーレムを恐れての事ではない。人一倍”構われた”彼女は眼魔砲にも、暴力にもなれてしまっている。
「ほんと、きれいっすよね」
隊長、ひまわりの花言葉知ってるっすか。
こういうところは女だな、と思う。
「お前だけを見つめる」
腕に抱いたマウスは、この花畑にはぴったりのメルヘンさだった。
きっと奴もこの花畑が好きだ。きっとこいつのように。
リズはにこりと笑って、一本ひまわりを手折った。ぶっぶーと言う効果音付きだ。むかつくから一発殴ってやった。
「ったぁ、でも、だめっすよ」
だから、だめっす。涙目になりながらこちらにひまわりを差出して来た。
憧れ、あなただけを見つめる、にせ金持ち。
「眼魔砲」
腹が立つので一発撃っておく。
そして最後は、偽りの愛。
この女はバカなんじゃないか。
この女は大馬鹿だ。
俺はリキッドがロッドに迫られてても、どうでもいい。気色悪いから眼魔砲ぐらいは打つかもしれねぇが。
それに、わざわざパプワ島について説明したりもしねぇ。行けば分かる。
リキッドが好きだからなんて気持ち悪い理由でこんな場所に来たりもしない。
メスマウスとマウスは別物だ。
「リズ」
うっす。
うっすじゃねぇよ。女らしさとかムードとか色気とかどうなってんだ。
「あれだ、さっきので正解だ」
だめっす。そう言われる前に強制的に黙らせた。
おれが正解だって言ってんだから正解だ。
(2023/7/11)
パプワ夢企画「花弁のささやき※閉鎖」様へ提出させていただきました。
その中に溶けた女は、向日葵を一本手折り渡す。
「だから、だめっすよ」
向日葵
あの島から帰って来て、特戦隊がガンマ団から追放されて、リキッドはいなくなった。それからと言うもの、隊は、と言うよりハーレムは荒れた。この上なく荒れた。飛び交う眼魔砲に隊員たちが逃げ惑ったのは言うまでもない。
朝起きて、リキッドがいないことに腹をたてて、酒を飲んで、馬にかけて、負けて。きまぐれに国を幾つか滅ぼした。
それでも何かが埋まることはなく。
ふらりと立ち寄った舞○のランドは、彼とあった場所であり、ハーレムが時折羽を伸ばしに来ていた場所。
そこでであったのが彼女であった。
「ファンタズ○ック!」
しつこいナンパ男に食らわせていたのは、海のパレードを模した技で、悪いななんて格好をつけて振り向いた仕草はまるであの日の焼き直しだ。
だから、連れ去ってしまおうと思った。強制入隊コースだと、女だがガンマ団から抜けたから関係ねぇ、なんて都合よく考えて口角をあげる。
「いい技持ってるじゃねーか」
だから、ぽかんと口をあける彼女の鳩尾に一撃食らわせて、リズを特撰隊のメンバーにした。
それからは何もかもが彼がいた日のようであった。
泣くリズを飛行機から叩き落とし、給与をせしめ、マウスの隣にメスマウスが並ぶようになった。
「リズちゃーん。お兄さんが添い寝してあげるから「眼魔砲」」
ただひとつ違うとしたら、隊員からの対応だけだ。ロッドはやたら絡むし、Gの手製の服を着ているし、さらにいえばマーカーの毒舌もすこしばかり抑えめだ。ハーレムにとってそれは不愉快であったが、隊員は彼に逆らえないので、結局リズを一番構えるのはハーレムの特権だった。
いい拾いものだった。そうほくそ笑んで。指差す先の、地図の上、小さな小さな島ひとつ。特戦部隊が上陸したら一日ももたないっすよね、そう笑う彼女に、ちげーよと笑う。
「ま、おめぇは好きかもしれねぇな」
ボロボロになったマウスをいじくり倒しながら、ふと思った。
壮大過ぎる自然に、しゃべるナマモノの宝庫そう説明すれば、目を輝かせて喜んだ。一方ハーレムは、まだ真新しいメスマウスを手繰り寄せ、俺ぁ興味ねぇなぁと天を仰いぐ。
まじっすか!楽しみっす!俄にうるさくなったリズに拳を一振りした。手加減なしの一発だが、特戦部隊の一員だからこのくらいは耐える。
あ。
うめき声をあげてうずくまった彼女が動きを止める。白い指が地図を指差す。
ここ知ってるっす。すっごい綺麗なひまわり畑があるんすよ。
そうして殴られたことも忘れたようにニコニコ笑うものだから、思わずメスマウスを顔に押し付けた。むろん手加減せずに。
数日後、特戦部隊の飛行機はその場所にいた。
興味ないのか、それともハーレムが怖いのか、ほかのメンバーは飛行機にこもっている。明日にはパプワ島につく予定であるし、無駄に体力を消耗したくないのかもしれない。なんせあの島は体力を使う。
そして、そんな事は知らないリズと、俺様王様なハーレムはひまわりの中にいた。やっぱりすごいっす!きれいっす!そう、懲りずにはしゃぐリズ。
「うるせぇ!」
怒鳴った途端、リズが黙る。
ハーレムを恐れての事ではない。人一倍”構われた”彼女は眼魔砲にも、暴力にもなれてしまっている。
「ほんと、きれいっすよね」
隊長、ひまわりの花言葉知ってるっすか。
こういうところは女だな、と思う。
「お前だけを見つめる」
腕に抱いたマウスは、この花畑にはぴったりのメルヘンさだった。
きっと奴もこの花畑が好きだ。きっとこいつのように。
リズはにこりと笑って、一本ひまわりを手折った。ぶっぶーと言う効果音付きだ。むかつくから一発殴ってやった。
「ったぁ、でも、だめっすよ」
だから、だめっす。涙目になりながらこちらにひまわりを差出して来た。
憧れ、あなただけを見つめる、にせ金持ち。
「眼魔砲」
腹が立つので一発撃っておく。
そして最後は、偽りの愛。
この女はバカなんじゃないか。
この女は大馬鹿だ。
俺はリキッドがロッドに迫られてても、どうでもいい。気色悪いから眼魔砲ぐらいは打つかもしれねぇが。
それに、わざわざパプワ島について説明したりもしねぇ。行けば分かる。
リキッドが好きだからなんて気持ち悪い理由でこんな場所に来たりもしない。
メスマウスとマウスは別物だ。
「リズ」
うっす。
うっすじゃねぇよ。女らしさとかムードとか色気とかどうなってんだ。
「あれだ、さっきので正解だ」
だめっす。そう言われる前に強制的に黙らせた。
おれが正解だって言ってんだから正解だ。
(2023/7/11)
パプワ夢企画「花弁のささやき※閉鎖」様へ提出させていただきました。